昨年12月に、ある上場企業のワークショップに参加させていただきました。
『賃貸・旅行・結婚』をテーマに、LGBTQを取り巻く現状や今後の課題などを社員の方々がグループになって話し合いをする時間に、今回LGBTQ当事者である私たち4人も参加させていただき、上記のテーマについて実際に経験し感じてきたことなどを共有させていただきました。
賃貸・旅行・結婚は、私たちが生活するうえで身近で大切なイベントの一つであり、本来は安心して利用し、自由に選択できるはずのものです。
しかし、LGBTQ当事者であるが故に、現場での対応に傷ついたり、もしくは傷つかないように必要以上に予防線を張ってしまったり、無意識に利用を諦めていたりすることも少なくありません。
ただ、今回お話を聴いてみると、実際にはLGBTQ当事者も当然利用できる想定でつくられているにも関わらず、それが現場や利用者に浸透していない制度も多くあることを知りました。
残念ながら今の日本はまだ完璧には法整備が追いついておらず皆が探り探りの状態であることから、不便があるのは仕方がありません。また、一人一人の要望を叶えるのも難しいと思います。
ただ、結論は変わらないとしても、現場での対応や声かけ、分かりやすい案内の記載など、ちょっとした配慮があるだけで、より安心して暮らしやすくなるように感じます。
また、今回研修に参加させていただく前は、LGBTQに関してあまり知識のない社員の方々に向けたものだと思っていたのですが、実際には各分野ごとにLGBTQ当事者へのアンケート調査を広く実施していたり、研修時も皆さん積極的に意見交換されていて、LGBTQ当事者の気持ちを理解し、現状をより良くしたいという想いが伝わってきました。
そして、参加された社員様の中にLGBTQ当事者の方が複数人いらっしゃったことも印象的でした。
こういった研修を行い理解を促すことは、当事者である社員の方にとっても安心して働ける環境づくりとして意義のあるものだと感じました。
LGBTQに関することに限らず、何かを変えていくということは大きな労力が必要だと思います。
だからこそ企業側も、こういった研修を重ねながら、一人一人が納得したうえで進めていっていただけたら有難いなと思うと同時に、私自身も架け橋クラブの活動を通して、これからも継続的に学ばせていただけたらと思いました。
行政書士 田口友梨
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