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虹の架け橋クラブに入ったキッカケ

それは前の会社を解雇されたことから始まります。

大手結婚式場と提携している写真撮影会社で働いていたのですが、コロナで結婚式が何ヶ月もゼロになり、結婚式場が閉店。そのあおりで写真撮影会社の社員全員が解雇となりました。さて、どうしたものか...と考えました。でもこれってめちゃくちゃピンチでもあるけどチャンスなのかもな...と思い(というか思うことにした)、ワクワクすることを追求するべく、解雇された社員を引き連れて新たに写真撮影会社を設立しました。それが僕が代表を務める「株式会社プライメリー」です。2021年8月の出来事でした。


この会社ではブライダルの撮影や商用写真撮影など既存の枠だけに留まらず、「いままでよりも一歩踏み込んで、もっともっとカメラを人の役に立てていくためにどうしたら良いのかを模索していきたい」、そんな思いがありました。

ある日、「馬とブライダルの前撮り」(馬を活用したブライダル前撮りを行い、牧場の新たな収入源の開拓、またその一部を馬の餌代や医療費にあててもらうプロジェクト)のための撮影ロケーションを探すために、埼玉県のとある牧場を訪れることになっていました。道中、「前にLGBTQカップル向けの撮影やれたらいいよねって話してたじゃない?せっかくだからやりたいねえ。どっか屋外で撮れるような場所あったら最高だよね」なんて話をしながらスタッフとともに牧場へ向かいました。


スタッフ全員、業界的なものかLGBTQは身近な存在であり、逆に社会に壁やカテゴライズがあることに疑問を感じていました。もしかすると、僕らが撮影したその1枚の写真があることで、心の拠り所になり、この先に困難が立ちふさがっても乗り越えられることだってあるんじゃないか...そうなったら素敵だな...そう考えていました。実はコロナでなくなってしまった結婚式場でもLGBTQの方々向けの挙式プランをリリースするために準備を進めており、勉強会を来週に...というタイミングでコロナがやってきて残念ながら実現することはありませんでした。 牧場に到着し牧場長さんに挨拶をすると突然「はじめまして、僕ゲイなんです」って言うんです。聞いてもないのに(笑)偶然にしては出来過ぎている。僕はLGBTQカップルフォトについての思いを伝えました。共感していただき、ぜひこの牧場を使って欲しいと快諾していただきました。


森に囲まれた小さくオシャレな牧場は丘の上にあり、人通りもほとんどなく人目に付きません。都心部では屋外で肌を寄せ合って撮影するとなると、人目も多くかなり心理的なハードルが上がります。でも、ここならそんなこともありません。そう思い、すぐにサンプル撮影の手配を取りました。

まずはモデルの問題です。知り合いにもLGBTQの方々はいるのですがSNSやHPなどに写真が使われるモデルとなると訳が違います。僕は良いけどパートナーが、とか...。そこから半年以上...。めちゃくちゃ長かった。やっとどうにかこうにか運良くモデルさんも見つかり、思い描くような素敵な写真が撮れました。


次は集客です。でも立ち上げたばかりの小さな企業ですから、広告にそうそうお金を掛けられるものではありません。しかもどれだけニーズがあるかもわかりません。知り合いのLGBTQの方々に相談したりしましたが、時間が過ぎるばかりで手応えはありません。そんなときに僕が所属していたビジネスコミュニティ仲間から吉美さんをご紹介いただきました。そして虹の架け橋クラブのことを聞きました。LGBTQの専門家でも何でもない私たちでは知識も経験も理解度も明らかに不足しているし、ただの「思い」だけでは前に進まないだろう...まずは仲間を増やすことでなにか活路を見出すことが出来るのでは?!と考え、参加させていただくことにしました。


僕はこの撮影プロジェクトはそうそうすぐに事業化できるとは思っていません。でも僕らの原動力となる核となるようなプロジェクトのひとつです。いまは少しずつ、一歩ずつで良いので前進していくこと、それが重要だと考えています。そして確実に前進していくためには、虹の架け橋クラブに参加し、勉強し、理解を深めていくこと、そして取り組みを発信していくことが必要で、そのためには仲間の皆さんの力添えをいただくことも必要です。


また、この取り組みの目的ではありませんでしたが、このLGBTQの取り組みをすることで、同じような思い、同じような価値観を持った人が引き寄せられるというメリットがありました。経営者仲間でも話をするとLGBTQの問題に取り組む士業の方、専門家の方をご紹介いただいたり。一番驚いたのは、こんなチッポケな会社に入社希望者が来たことです(笑)前の会社では何十万円も支払って求人広告を出し、やっと採用しても価値観が合わずすぐに退職...なんてことがありました。無料の求人広告を出したところ当日に申込がありました。面接で「LGBTQの問題に興味があります。求人を見て、この会社しかない!と思い衝動的に連絡しました」そう言っていました。笑顔もステキだったし、採用しない理由が僕には見つかりませんでした。この3月に入社予定です。とても楽しみにしています。


いつかLGBTQのカップルフォトが珍しいことではなくなったとき、LGBTQのカップルフォトといえばプライメリーだよね、そう言ってもらえるようになることが私たちプライメリーの目標です。


投稿者:株式会社プライメリー代表取締役 吉野正悟さん




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